三番町の子守歌
MOYAM~ayuki
#9~玉井バンド
kotekote3曲
うた~Gipsy Song
大妻みんなでは、3曲 歌います。
三番町の子守唄【E♭】(譜面作成ayuki)
うた【A】(譜面作成ayuki)
Gipsy Song【G】
大塚さん本人のレコードから
3月21日はこの歌の言葉尻を基本に
事前に合わせておいてください。
(大妻はkeyは今回Aで歌いますが、
大塚さんのこの原曲はkeyEで歌われてます)
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大塚さんと一緒に
レタス「こたえあわせ」で歌った時の動画
https://www.youtube.com/watch?v=cnWkFf2nvG8
この2017年内幸町ホールの歌/演奏を参考に
田川さんの80歳のお祝い@赤坂(2015年)
右側でおとなしく座っていつのが岡田さん(元ヤマハで菅さんとは卒業同期)
哀歌讃歌
三番町の子守唄によせて
田川 律
“幻のグループ”
一年以上も前から、大妻女子大フォークソング・クラブは、ぼくにとって、そんな存在であった。
何人かの親しい友人たちがこのグループの力を誇吹してくれた。
レゲエをレパートリーにしている。大塚まさじの歌をうたっている。そのどちらもが、この国でまだ“マイナー”であるだけに、いよいよその存在は気に懸った。
春が来て、環状7号線に面する地下の小さな喫茶店で、ぼくは“幻”と対面した。複数の“幻”たちは現実のものとなり、急激にぼくは、かれらと親しくなった。
夏が過ぎて、秋になり、ひょんなことで、ぼくが作詞した「三番町の子守唄」を、かつて彼女たちと同じ年頃の若者たちが無益な死に駆り立てられた霞ケ浦で聞くことになった。暗い水面の小波に向って、うたわれた「ハーダー・ゼイ・カム」は、ぐらぐらする桟橋のリズムと溶け合って夜空に消えた。
石の段々に枯葉はもう一枚も見えなくなり、だが、薄紅色の花弁が宙返りをするには、早過ぎる季節に、“幻”は、ひとつの区切りとして定期演奏会をする。
“幻”こそが現実である舞台で、彼女たちは、何ヵ月にも亘った日常の現実を“幻”に化身させ、舞い上がらせる。営々と働いて得たお金を練習のあとのお茶代に使い、帰宅が遅いといっては両親の叱責を浴びながら、彼女たちは、この120分に向って歩んできた。
“哀歌(エレジー)”とはいみじくもつけた題名だ。
けれども、そんなことは、今宵“幻”たちの歌を聞く者にとって、それこそ幻なのだ。
だからこそいいのかもしれない。歌がそれらを黙って背負い込んでくれる。
不幸せの星を、夢の国へ拾いに行くのは、ほんとは、これからなのだ。
それがどんな星か、ぼくでさえ見てない。けれど“幻”でないことは確かで、
歌たちはそれをもまた秘かに背負い込んでいる、と思うのだ。
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7代目定期演奏会『三番町哀歌』(1978年)プログラムより
(2023年2月:マーク文字おこし)